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稲見和人が、
ずっとここでやりたかったと言う劇場
それが下北沢OFF・OFFシアター

今から10年前のこと、舞台俳優を志し上京した稲見和人が、

東京で初めて演劇を観た劇場、それが「下北沢 OFF・OFFシアター」でした。

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    《企画監修・五十部(いそべ)より》

     

    稲見さんが、OFF・OFFシアターという、小劇場系の演劇が好きな人ならだいたいみんな知っている、下北沢のとても駅チカの劇場で、わけのわからない自主企画をやります。

    宇宙論☆講座本体でも、まだ下北沢でやったことないのに。

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    (※写真は2022年8月現在、下北沢を中心に展開する「本多劇場グループ」系列のぜんぶの劇場の窓口で配布されている冊子)

     

    そういえば稲見さん、前々からずっと、

    「下北沢でやりたい。いつか下北沢でやれたらいいね。下北沢でやるのがゴールだな」

    って、ことあるごとに言っていました。

    ああ!そうだ、言っていました。めちゃめちゃ言っていたな。ハッキリ思い出した。

     

    おれ五十部は、生粋の演劇の人ではないので(音楽の人がすいません、演劇にお邪魔してますグフフフ~っていう心持ちで演劇に関わっている。しかし都合のいいときだけ、いやおれもすっかり演劇の人ですけどねゲヘヘヘ~ともなる。童話の教訓話のコウモリの気持ちで)、演劇の街・下北沢への思い入れはない。

    しかし稲見さんは、実は、宇宙論☆講座で唯一の、生粋の演劇の人(老舗の劇団の研究所あがり)なので、演劇の街・下北沢への思い入れはある。

     

    宇宙論☆講座の、公演やるときの劇場の選び方は、「空いているかどうか」だけです。

    立地でもなく、値段(劇場使用料金)でもなく、名前(ネームバリューとか)でもなく、劇場機構や設備でもなく。なるべく近い日程で、空いている日があるかどうか。

    それで、思い立ったらやる、演劇やれる時間が生まれたらやる、即やる。のスタイルなので、劇場を借りるタイミングっていつも、だいたい公演の1~2ヶ月前です。

    1~2ヶ月前だと、普通もうあんまり空いていない。だいたいの劇団は、半年や1年前とか、場合によっては数年前にもう劇場と契約を済ませていることが多い。

    宇宙論☆講座が下北沢の劇場、つーか本多劇場グループさん(下北沢を中心に展開する劇場グループ)系列の劇場で、今まで公演やったことなかったのは、「空いてなかった」からです。あと、その総本山「本多劇場」で3年後にやろうと思って申込書や企画書を3年前に送ったけど落ちたというのは一回あった。

     

    しかし1~2ヶ月前とかに劇場借りるってスケジュールは結構バタバタするけど、でかいメリットもあって、そのタイミングでまだ埋まってない劇場の空き日程ってもう借り手はいないので、稽古場としての利用もどうぞ、とか見切り品扱いで「直前割」的な、すごい安い価格で借りれることが、ままあった。

    それで、公演をやるにあたり、まずドカンと必要になる経費「公演会場代」を抑えて、浮いた金でなんかやる。というスタイルでやってきました。チケット収入が発生しない公演をするとか、劇場内で生ビール飲み放題にするとか、登場人物ゼロで出演者づての集客が見込めない作品を上演したり、出演者スタッフのケータリングをぜんぶ叙々苑の弁当にするとか、そういうことをやった。あとこれは実現しなかったけど、PCR検査代を350万円かけないとできない変なことをやるために350万円を調達したり、個人的に伝手のある謹慎中の有名芸能人を出演者として呼ぼうとして相応のギャラで交渉したりとかもした。

    宇宙論☆講座にとって今まで、劇場ってそういう存在であり(すいません)、結局のところ「めちゃめちゃアクセス悪くって、こんなとこでやったって誰も観に来れないよ!」って場所じゃなければ、どこでもいいという感じだったし(すいません)、なんなら「めちゃめちゃアクセス悪くって、こんなとこでやったって誰も観に来れないよ!」って場所でもよかったのです(すいません)。

     

    しかし稲見さんは、生粋の演劇の人なので、この劇場が好き。とか、この劇場でやりたい。がある。ちゃんとある。

    そして今回、稲見さんは下北沢「OFF・OFFシアター」で公演をやる。

     

    となると、あれ? お金は大丈夫か。という話になるが、お金は大丈夫ではない。

     

    これは、ぴったり全額「支出=赤字」っていう怖い公演なので、ほんと怖い。これで稲見さんが小金持ちとか、いや、小金持ちじゃないにしても、可処分所得としての演劇活動以外のまとまった稼ぎがある程度あるっていう、そういう生き方をしているタイプの人生の人なんだったら全部説明がつくんだけど。そんなことはない。稲見さんは宇宙論☆講座で唯一の生粋の演劇の人なので、普通にアルバイトをして生活をしている。ひとつも合点がいかなくて怖い。冗談じゃなく、おしっこを漏らしそうなくらい怖い。

      

    あと、だいたい劇場って、1週間単位じゃないと貸してもらえなかったりするのですが、なぜか1日だけの公演が実現してしまった。なぜなんだ。

    そして、演劇って、台本書いたり稽古したり準備にとても時間かかるので、その成果物としての公演「本番」を1ステージしか設定しないというのは、効率とか心情的な意味でもたいへん難しいことのはずなのですが、それも叶ってしまった。どういうことなんだ。

    だから今、ものすごく稽古してるのですけど(おれも稽古場ベタ付きしている。ひたすら「企画監修=稲見さんに100%の私利私欲を貫いてもらうため各種万難を排する役割」をしている。そしてすごいのが完成しつつあります)、とにかく生粋の演劇の人の主導で、ものすごく稽古をしている。しかし、どんだけ稽古したところで、その1日限りの1ステージで、もし失敗してしまった段取りはもう誰の目にも触れなかった段取りとなり、もし飛んでしまったセリフは誰の耳にも入らなかったセリフとなる。しかし稲見さんは、生粋の演劇の人なので、本来の生の演劇の一回性というものはこういうことだ!という感じで創作の場に居るし、自分のすべてを込めた作品を1ステージに全部かけるという上演形態は、本当に本望で本懐なのだと思う。

    それから、チラシをすごい配りまくったことで、演劇の界隈に限らず、この公演の情報や稲見和人という名前がいろんな方のお目に触れた結果、おもしろがってくださったある会場様から、うちの会場、よければ無料で貸すよ。っていうお申し出をいただいたりとか、そういうことさえあったのですが(すごいことですよこれは)、それも聞き入れずに、脇目も降らず、稲見さんは下北沢駅の東口へ突進した。

     

    とにかく、いろいろな人のご協力とご尽力によって、下北沢OFF・OFFシアター1日限り1ステージのみの公演が実現しました。ありがとうございます。

     

    あと、個人的にすいません、「劇場はどこでもいい」みたいなこと書いといて、急に翻るんですけど、おれ五十部にも憧れの劇場はある。劇場っていうか、宇宙論☆講座の拠点にしたい場所がある。ニューヨークだ。

    稲見さんにとっての一里塚は下北沢「OFF・OFFシアター」なので、今回この公演がもしうまいこと成し遂げられたあかつきには、「やったー!何か(漠然)が達成された!」みたいな感じになる可能性及び恐れがありますが、むしろここからスタートだと思うのでこれを糧に、俳優として妙な感じで飛躍していってほしいですね(本当に不遜なこと言ってすいません)!

    おれの一里塚はNYのオフ・オフ・ブロードウェイなので、行動は始めていますがまだもうしばらくかかります!

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